2021.2.3

医療法第6章第4節計算について(4:事業報告書等の作成その1)

医療法人は医療法第51条1項所定の事業報告書等の書類を作成する必要がある、と前回の記事に記載しました。今回からは事業報告書等についてみていきます。

 

医療法人が、毎会計年度終了後2か月以内に作成しなければならない「事業報告書等」というのは

①事業報告書、②財産目録、③貸借対照表、④損益計算書、⑤関係事業者との取引の状況に関する報告書、⑥その他厚生労働省令で定める書類、これら6つの書類の総称です。

 

では、事業報告書等について1つずつみていきますが、長くなるため複数回に分けて紹介します。

①事業報告書

医療法人の、法人の概要及び事業の概要を記載事項とする報告書です。医療法人の財務諸表等からは得られない情報を提供する書類です。

 

②財産目録

一定の時点における医療法人のすべての財産(動産、不動産、債権、債務等)の明細書であり、財産の状況を明示する帳簿です。

 

③貸借対照表

一定の時点における医療法人の総財産を積極財産と消極財産に分類して対照し、財産の状況を総括的に表示する一覧表です。

 

④損益計算書

特定の事業年度における収益及び費用を対照し、差額を利益又は損失として記載し、事業年度における純損益を明らかにする書類です。

 

⑤関係事業者との取引の状況に関する報告書

関係事業者との取引の状況に関する報告書の書式等について(平成28年4月20日医政支発0420第2号)に従って作成します。

関係事業者とは、当該医療法人又はその役員と厚生労働省令で定める特殊の関係がある者のことです。医療法第51条1項「理事長の配偶者がその代表者である」は例として挙げられています。

特殊の関係については医療法施行規則32条の6が規定しています。

 

次回は、⑤関係事業者との取引の状況に関する報告書に関して、関係事業者(特殊の関係)について詳しくみていきます。

 

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