2021.2.22

医療法第6章第4節計算について(10:監事による監査、公認会計士又は監査法人による監査)

今回は、監事及び公認会計士等による監査についてみていきます。

医療法第51条第4項では、医療法人は、事業報告書等について監事による監査を受けなければならないと定められています。

医療法第51条第5項では、同条第2項で定める医療法人(医療法施行規則第33条の2で定める一定の基準を満たす医療法人)は、監事による監査に加えて、財産目録、貸借対照表及び損益計算書について、公認会計士又は監査法人の監査を受けなければならないと定められています。

 

監査の内容については医療法施行規則第33条の2の2から第33条の2の6において規定されています。

なお、医療法施行規則第33条の2の2第2項「前項に規定する監査には、公認会計士法第2条第1項に規定する監査のほか、貸借対照表及び損益計算書に表示された情報と貸借対照表及び損益計算書に表示すべき情報との合致の程度を確かめ、かつ、その結果を利害関係者に伝達するための手続を含むものとする。」については、貸借対照表及び損益計算書の監査は、会計専門職以外の者が実施することも想定されるため、職業的専門家による監査でなくとも、計算書類が著しく真実に反するのではないことを何らかの合理的根拠をもって確認するもので足りることを明らかにしています。

 

 

◇監事による監査の具体的な内容(医療法施行規則第33条の2の3及び第33の2の4)

1.監事は以下の事項を内容とする監査報告書を作成します。

監事の監査の方法及びその内容

事業報告書等が法令に準拠して作成されているかどうかについての意見

監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由

監事の監査報告書を作成した日

 

2.監査報告書の内容を次に掲げる日のいずれか遅い日(通知期限)までに、理事に通知する。

①事業報告書等を受領した日から4週間を経過した日

②当該理事及び当該監事が合意により定めた日があるときは、その日

 

 

◇公認会計士又は監査法人による監査の具体的な内容(医療法施行規則第33条の2の5及び第33条の2の6)

1.公認会計士又は監査法人は以下の事項を内容とする監査報告書を作成する。

・公認会計士等の監査の方法及びその内容

財産目録、貸借対照表及び損益計算書が法令に準拠して作成されているかどうかについての意見

財産目録、貸借対照表及び損益計算書が法令に準拠して作成されているかどうかについての意見がないときは、その旨及びその理由

追記情報

「追記情報」とは、正当な理由による会計方針の変更、重要な偶発事象、重要な後発事象、その他の事項のうち、公認会計士等の判断に関して説明を付す必要がある事項又は財産目録、貸借対照表及び損益計算書の内容のうち強調する必要がある事項とされています。

公認会計士等の監査報告書を作成した日

 

2.監査報告書の内容を次に掲げる日のいずれか遅い日(通知期限)までに、理事及び監事に通知する。

①財産目録、貸借対照表及び損益計算書を受領した日から4週間を経過した日

②当該理事、当該監事及び当該公認会計士等が合意により定めた日があるときは、その日

 

なお、医療法第51条第2項で定める医療法人は、理事及び監事が公認会計士等の監査報告書の内容の通知を受けた日に公認会計士等の監査を受けたものとされます。

また、公認会計士等が通知期限までに監査報告書の内容の通知をしない場合には医療法第51条第2項で定める医療法人は、通知をすべき日に公認会計士等の監査を受けたものとされます。

 

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