2021.2.10

清算人の報酬と裁判所による検査役の選任とその手続きについて

本日は、清算人の報酬と裁判所による検査役の選任と手続きについて紹介してまいります。

 

✦清算人の報酬

医療法人が解散したときは、原則としてその理事が清算人となります。

清算人は従前の理事と同様に、清算医療法人と委任の関係にあると考えられていますので、その報酬の額は清算医療法人と清算人との間の合意により定められます。

他方、医療法第56条の4に基づき、裁判所が清算人を選任した場合は、裁判所が報酬額を決定します。

そして裁判所が報酬額を定める場合、当該清算人と監事の陳述を聴かなければなりません。

なお、清算人の報酬額決定の裁判については理由を付さなくてもよいとされています。

 

✦裁判所による検査役の選任

医療法人の解散及び清算は、裁判所の監督に属し、裁判所は職権でいつでも監督に必要な検査を行うことができるとされています。

裁判所が必要な調査を行うために、裁判所は検査役を選任することもできます。

検査役とは、常設の機関ではなく、特定の目的のため必要に応じて選任される機関です。検査役は、財産状況、帳簿などの検査など、医療法人の解散及び清算の監督について必要な調査を行います。

なお、検査役の資格については特に定められていません。

 

✦検査役選任の手続き

検査役選任の裁判に対しては、迅速に処理するため、不服を申し立てることができません。また、検査役選任の裁判については理由を付す必要はありません。

裁判所は、検査役を選任した場合は、医療法人をして、当該検査役に対して報酬を支払わせることができ、その額は裁判所が定めることができます。報酬額を定める場合において、裁判所は、当該医療法人及び検査役の陳述を聴かなければなりません。

また、検査役の報酬額を定める裁判については理由を付す必要はありません。

 

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