2020.1.10

自筆証書遺言の方式が緩和されます

今までの民法では、自筆証書遺言は、遺言書の全文に加え、日付及び氏名を全て自書し、押印しなければなりませんでした。また、自筆証書遺言中に書き加えたり、変更があった場合は、遺言者がその場所を示して、これを変更した旨を付記して署名し、かつ、その変更場所に押印しなければその効力が生じませんでした。しかし、このような厳格な自筆要件は高齢者にとって、非常に大きな負担でした。

 

そこで、改正法では、財産目録については自書でなくてもよいとしています。( 968 条 2 項)

また、不動産登記事項証明書や預貯金通帳の写しなどを添付して、それを財産目録とすることも可能となりました。

なお、財産目録を自書によらない場合、財産目録は別紙として作成する必要があります。例えば、遺言書本体の途中からページを変えずに、遺言者以外の者が財産目録を代筆したり、パソコン等で作成することはできず、財産目録は財産目録として別に作成する必要があるということです。

 

また、遺言者は、財産目録のすべてのページに署名、押印しなければなりません。1ページでも署名・押印が抜けていると、その部分は無効となる可能性が高く、多くのページで署名・押印が抜けている場合は、遺言書そのものの有効性に疑問が生じる恐れがあるので、ご注意ください。

 

なお、財産目録の添付方法については、特別な定めがあるわけではありませんが、遺言書本体との一体性を明らかにする観点から、遺言書本体と財産目録をステープラー等でとじ、契印することが望ましいものと考えられます。

 

昨今、相続にかかるトラブルは非常に多く、その中で遺言書の果たす役割は、決して小さいものではありません。40年ぶりに民法が改正された今、自筆証書遺言も作りやすくなっております。せっかく遺言書を作成するのであれば、いわゆる「争族」にならない遺言書を作成したいものですよね。

 

海星事務所では、相続に関するご相談も、随時お伺いしております。どのような遺言書を作成すれば、スムーズに相続財産を承継していけるか、不安に思われていらっしゃる方は、どうぞお気軽に海星事務所までご相談ください。

 

(自筆証書遺言の方式緩和は 2019 年 1 月 13 日に施行されます。)

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