2021.2.9

裁判所による医療法人の解散及び清算の監督について

本日は、裁判所による医療法人の解散及び清算の監督について紹介してまいります。

 

✦解散及び清算の監督

医療法人の解散及び清算事務は、専ら債権者や帰属権利者などの利害関係人の利害にかかわる事項です。

また清算人は、清算事務に関して広汎な職務権限を有します。そこで清算事務が不正、不当に処理されることを防ぎ、利害関係人の利益を保護、調整する必要があります。

医療法は、医療法人の解散及び清算を裁判所の監督に属しめることとしています。

 

医療法人の解散及び清算の監督については、その医療法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属します。

 

✦監督に必要な検査、意見聴取と調査の嘱託

裁判所はいつでも職権で医療法人の解散及び清算の監督に必要な検査をすることができます。また裁判所は検査役を選任して、医療法人の解散及び清算の監督に必要な調査をさせることができます。

裁判所の検査は、財産状況や帳簿などの検査が主なものと考えられますが、具体的な検査の方法、内容については特に制限がありません。

検査の結果、不正や欠落が判明した場合、裁判所は重大な事由があると判断したときは、清算人を解任することができます。

また少なくとも清算人に対して適切な是正処置をとるよう指示、命令することは可能であると解されます。

 

裁判所は、必要な監督を行うために都道府県知事に対して意見を求めることができ、必要な調査の嘱託を行うことができます。

裁判所から意見を求められ、又は調査の嘱託を受けた都道府県知事は裁判所に対して意見を述べることができます。

 

次回は、医療法人の解散及び清算の監督並びに清算人に関する事件の管轄と、清算人選任の裁判に関しての不服申立の制限について紹介いたします。

 

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