2021.1.14
(新型コロナウイルス感染症に関する)休業手当の取扱いについて
本日は新型コロナウイルス感染症に感染し、出勤停止になった場合、会社は休業手当を払う必要があるかどうかについて紹介していきます。
労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならない」とされています。
では新型コロナウイルスに感染した従業員を休業させる場合、使用者は休業手当を払う必要があるのでしょうか。
新型コロナウイルスは感染症法第18条第3項により、都道府県知事の就業制限により従業員が休業する場合は使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要がありません。
一方、発熱などの症状があり感染が疑われる従業員に対して使用者の自主的判断で休業させる場合は、労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業にあてはまるので、休業手当を支払う必要があります。
しかし、不可抗力による休業にあたる場合は、使用者の責に帰すべき事由にあたらず、使用者に支払義務はありません。
ここでいう不可抗力による休業とは、
①その原因が事業の外部より発生した事故であること
②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること
の2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。
例えば①に該当するものとして緊急事態宣言で感染症対策の一環として都道府県知事が業種ごとに使用制限などの協力要請を受けた場合のように、事業の外部で発生した事業運営を困難にする要因が考えられます。
②に該当するものとして、使用者として休業を回避するためにテレワークなどの方法により労働者を業務に従事させることが可能か十分に検討しているか、労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていないかといった事情から判断されます。
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新型コロナウイルス感染症の影響を受け、従業員が安心して休めるように就業規則に有給の特別休暇制度を設けるため就業規則の見直しを考えられる事業主の方もいらっしゃいます。
海星事務所では企業側の立場から法律と裁判例を踏まえ、企業と労働者間のトラブル解決を柔軟かつ積極的に取り組んでおります。
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